2022/07/27 10:00

いつもご愛顧いただきましてありがとうございます。
FILOU MARCHEのこんぱなです。

前回に引き続き、犬猫の外耳炎についてつらつらと書いてみようと思います。

多くの犬猫を悩ませる症状『外耳炎』。
命に関わるような深刻な不調ではありませんが、外耳炎は繰り返すことが多く、また、治療を嫌がるペットも多いため、命に関わる不調ではないとはいえ獣医師泣かせのトラブルだったりします。

今回は外耳炎で一般的に使用されるお薬について書いてみますね。

◼️抗生物質
抗生物質は、”細菌”に効果があります。
そのため、外耳炎の原因として細菌感染が存在する場合には非常に効果があります。
(内服薬としても外用薬としても用いられます)

ただし、使用期間・使用頻度などにより耐性菌を生じる可能性があること、また、長期の使用により内臓に負担がかかることなどから、使用期間や使用頻度には注意する必要があります。

◼️抗真菌薬
抗真菌薬は”真菌”に効果があるお薬です。
外耳炎の原因として真菌(特にマラセチア酵母菌)が存在している場合に有効なお薬です。
(内服薬としても外用薬としても用いられます)

こちらも抗生物質同様に、耐性菌が発生する可能性があること肝臓や腎臓などの内臓に負荷がかかりやすいことから使用期間や頻度には注意する必要があります。

◼️ステロイド
炎症を抑えるお薬です。外耳炎時は耳道内に強い炎症が起きており、炎症によりかゆみ、痛みが生じます。
ステロイドをうまく利用することで炎症を抑え、掻きむしってさらに状態を悪化させるなどの悪循環を防ぐことができます。
(内服薬としても外用薬としても用いられます)

ただ、ステロイドは原因が何であれ炎症を抑え込む薬のため、炎症が起こる原因が解決していないで薬が終了すると症状がぶり返すことが多々あります。そのため、長期使用を余儀なくされることも多く、肝臓や副腎皮質への影響が強いことから注意が必要です。

◼️消毒薬
外耳炎の原因となる細菌や真菌に対して殺菌効果があります。細菌や真菌に触れることでその殺菌効果を発揮するので、外用薬として利用されます。
犬猫の場合は、シャンプーとして利用されることが多いです。

◼️ダニ駆虫薬
ちょっと特殊な例ですが、ダニが耳道に寄生することで外耳炎を起こすことがあります。
ダニが感染した外耳炎に関しては、ダニの駆虫薬を使用してダニを駆除する必要があります。


ざっくりと、外耳炎時に使われるお薬に関して説明してみました。
上記に挙げた薬は、非常に切れ味がよく効果が出るのは早いのですが、その分体への負担もかかります。
短期間の投薬で状況が改善する場合には非常に有効な治療薬ばかりですが、根本原因の解決が難しく、繰り返す外耳炎に対しては使用し続ける不安も大きいのが現状です。

ということで。
次回は、外耳炎に対して『長期使用ができて、体への副作用が少ない成分』をお伝えしたいと思います!


***FILOU MARCHE こんぱな***

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